法制史研究 69号(2019年)目次


【論説】

神戸 航介 日唐律令力役編成制度の特質 [ 要旨 ] 1
小澤 隆司 大正期の法人処罰―刑事訴訟法改正を中心として [ 要旨 ] 45
松本 英実 《シンポジウム》ミクスト・リーガル・システムと法制史
ミクスト・リーガル・システムと法制史―企画趣旨説明
75
葛西 康徳 ジョン・ケアンズ教授およびトーマス・ベネット教授の略歴 ― 本シンポジウムの経緯説明を兼ねて 84
ジョン・W・ケアンズ
溜箭 将之 訳
一八世紀スコットランドの慣習と奴隷制 89
守矢 健一 ケアンズ氏の講演に対するコメント 102
トーマス・W・ベネット
板持 研吾 訳
借用語と法移植 ― 南アフリカ法におけるウブントゥ概念のための二つの分析枠組み 105
小川 浩三 ベネット教授報告に対するコメント 119

【書評】

坂上 康俊 佐々木恵介 日本古代の官司と政務 125
高谷 知佳 安野眞幸 日本中世市場論―制度の歴史分析 129
西村 安博 小林一岳編 日本中世の山野紛争と秩序 134
谷口 眞子 杉本史子 近世政治空間論―裁き・公・「日本」 140
出口 雄一 荒邦啓介 明治憲法における「国務」と「統帥」―統帥権の憲法史的研究 146
増田 知子 大久保泰甫 ボワソナードと国際法―台湾出兵事件の透視図 152
川北 靖之 小林宏 養老名例律贈位条について―その立法上の意義 156
仁藤 敦史 水林彪 卑弥呼・台与政権論―日本国制史における〈反civil〉起源 159
神野 潔 佐藤雄基 文書史からみた鎌倉幕府と北条氏 ― 口入という機能からみた関東御教書と得宗書状 161
松園 潤一朗 西田友広 法諺「訴え無くば、検断無し」の再検討 164
渡邉 俊 松園潤一朗 日本中世の法と裁判―「道理」の観念をめぐって 166
藤田 覚 大平祐一 江戸幕府の刑事裁判と「手続の選択」―「吟味筋」かそれとも「出入筋」か 168
大平 祐一 代田清嗣 江戸幕府刑法における贈収賄罪 170
小石川 裕介 大泉陽輔 近代日本における特許法執行体制の形成過程(一)―(三・完) 172
宇 野 文 重 小沢奈々 穂積重遠の「親権」論―児童虐待防止法の実現に向けた原胤昭との協同 174
大日方 純夫 児玉圭司 一八八〇年代における監獄改良論者の人脈と思想的基盤について 177
小柳 春一郎 林真貴子 借地借家調停法の成立と施行地区限定の意味 179
矢切 努 矢野達雄 沖縄地方制度近代化の道程―奈良原県政期の地方制度改革構想 181
同「沖縄近代法」とは何か―「日本近代法史像のゆらぎ」研究の深化にむけて
森田 成満 寺田浩明 中国法制史 185
加藤 雄三 西英昭 近代中華民国法制の構築―習慣調査・法典編纂と中国法学 190
高田 洋子 関本紀子 度量衡とベトナムの植民地社会 194
見市 建 市岡卓 シンガポールのムスリム―宗教の管理と社会的包摂・排除 200
堀井 聡江 岩崎葉子 サルゴフリー 店は誰のものか―イランの商慣行と法の近代化 204
川村 康 辻正博 唐律における流刑の本質―恩赦との関係を中心に 210
魏 敏 宮崎聖明 明代後期遼東における吏員人事―遼東都指揮使司檔案を手がかりに 213
同 明末広東における「書辦」について―『盟水斎存牘』よりみる非正規胥吏
中村 正人 鈴木秀光 清代刑事裁判における覆審制の再検討に関する一試論 ― 軽度命案を例として 216
喜多 三佳 キム・ハンバク 清代充軍の「流刑化」と内地軍流犯の過剰問題 218
李相旭 密陽郡の墓地規則附則第四項墓籍届にみられる埋葬地の所有・利用関係の構造
高村 竜平 韓梨恵 一九二〇年代における墓地規則違反と朝鮮社会 220
藤井 賢二 大沼巧 大韓帝国期における漁税徴収の実態と「所有権」の整理 ― 慶尚南道沿海部を中心に 223
岡田 泰平 千葉芳広 植民地支配と都市空間―アメリカ統治初期マニラの公衆衛生 226
二宮 文子 稲垣春樹 専制と法の支配―一八二〇年代ボンベイにおける政府と裁判所の対立 228
鈴木 明日見 高田京比子 中世ヴェネツィアの家族と権力 234
若曽根 健治 佐藤団(校訂) ハレ参審人文書 239
同(著) 法制史学と都市文書
波多野 敏 時本義昭 フランス近代憲法理論の形成―ロッシからエスマンへ 244
上村 一則 杉本好央 独仏法における法定解除の歴史と論理 249
松尾 弘 大塚滋 イェーリングの「転向」 254
山内 進 西平等 法と力―戦間期国際秩序思想の系譜 260
塚原 義央 佐々木健 古代ローマ占有訴訟における「慣習による駆逐moribus deductio」(Cic. Pro Caecina, 27)と暴力〔不動産占有回復〕unde vi 特示命令 265
五十君 麻里子 吉村朋代 ローマ法における信託遺贈の擬制的解釈 267
同 ローマ法の信託遺贈による相続法改革
林 智良 清水悠 古典期ローマ法における占有者保護 ― 買主保護の観点から(一)(二・完) 267
篠森 大輔 後藤弘州 古典期ローマ法における包括承継人の決定 ― 相続財産の信託遺贈を中心に 271
川島 翔 Masaki Taguchi, Freiwillige Gerichtsbarkeit und Bestätigungen am Herrscherhof im deutschen Spätmittelalter (1273-1400) 273
佐藤v猛 朝治啓三 シモン・ド・モンフォール研究の現在―アンジュー帝国の視点から 277
菊池 肇哉 山内進 「完全な共同体」とグロティウスの国家思想 279
同 『戦争と平和の法』の思想史的意義
同 十字軍とは何か―中世ヨーロッパの聖戦について考える
牟田 和男 小林繁子〈魔女〉は例外犯罪か―近世ドイツにおける犯罪と拷問 284
高橋 直人 藤本幸二 近世・近代刑事法改革における量刑論と罪刑均衡 287
的場 かおり 藤田貴宏 夫婦財産契約と財産共有制―ヘーゲル『法哲学綱要』第一七二節の法学説史的背景 289
耳野 健二 小川浩三 法学史におけるD. 19, 1, 13 pr. ―プフタの瑕疵責任論におけるその位置 292
鈴木 康文 野田龍一 シュテーデル美術館事件における占有訴訟の一斑 ― ランズフート大学鑑定意見について 294
同 この地の都市と市民団のために(一)―(五・完) ― シュテーデル美術館事件における遺言の解釈
石井 三記 小島慎司 制度と公開・均衡(一)―(四・完)― モーリス・オーリウによる大統領選出方法改革の提唱をめぐって 297
佐野 誠 松本彩花 カール・シュミットにおける民主主義論の成立過程(一)―(四・完)― 第二帝政末期からヴァイマル共和政中期まで 301
松本 尚子 上田理恵子 二〇世紀ライタ川以西における「非弁護士」試論 ― オーストリア司法省文書を手がかりとして 303

【会報】

学会記事 309
報告要旨 312
訃報 316

【追悼の辞】

松田 憲治 林董一先生追悼文 317
坂誥 智美 高木侃先生を偲んで 321

【平成30年法制史文献目録】

日本法制史文献目録 1
東洋法制史文献目録 29
ローマ法・西洋法制史文献目録 59


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